能曲目解説

主なあらすじ

平家全盛の平安末期。平家を滅ぼさんとする謀り事が発覚し、俊寛僧都、平判官康頼、丹波少将成経は、平家打倒の陰謀を企てた罪科により、藤原成経、平康頼とともに、鬼界島に流されてしまいます。

それからしばらくして、都では、清盛の娘で高倉天皇の后となった中宮徳子(後の建礼門院)の安産祈願のため、臨時の大赦が行われます。鬼界が島の流人も一部赦されることとなり、使者がかの島へ向かいました。
能「俊寛」はここから始まります。
成経と康頼は、日頃より信仰心あつく、島内を熊野三社に見立てて、祈りを捧げて巡っていました。ある日、島巡りから戻るふたりを出迎えた俊寛は、谷川の水を菊の酒と名付けてふたりに振舞い、都を懐かしむ宴に興じます。ちょうどそこに清盛の使いが来て、大赦の朗報をもたらします。ところが赦免状には、俊寛の名前だけがなかったのです。驚き、絶望の淵に沈む俊寛に、周りの皆は、慰めの言葉もありません。

やがて赦免されたふたりを乗せて舟は島を離れます。俊寛は、舟に乗せよとすがりつくのですが、無情にも打ち捨てられ、渚にうずくまるのでした。あたり構わず泣き喚く俊寛に、同志たちは「都へ帰れる日は来る。心しっかりと」と声をかけますが、やがてその声も遠ざかり、船影も消えてしまいます。
赦免状に自分の名前だけがない!
何度も見る俊寛。
慟哭する俊寛

❑俊寛

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▽見どころ
▽登場人物  

○シテ 俊寛     ○ツレ 藤原成経 平康頼

○ワキ  赦免使  ○アイ  船頭


▽面 
シテ  俊寛(専用面)
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▽主な場面
鑑賞ポイント解説

▽雑感
同志と別れて孤島に残され、前にも増して絶望の淵に追い込まれる俊寛の哀れさは、たとえようもありません。
この曲が終わったところでの、私たちの感懐が「俊寛」の持つ「孤独感」と同化して欲しい!というのが、作者の意図であろう。